結果を出す人がやっている! 仕事を「楽しくする」方法

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どうすれば仕事を楽しめる?

第1章
仕事が面白いと思えている人は仕事自体が面白いのではなく、仕事を面白くする方法をつかんだのである。仕事がしんどいと感じたら、「退屈な業務でも向き合い方を変えることで、やりがいのあるものへと変容させる手法」として有名な”ジョブ・クラフティング”試してみると良いだろう。

第2章
そもそもプロフェッショナルとは、「技術に優れ、他の人ができないような仕事をする人」「その仕事で生活ができるほどの収入を得ている人」である。たとえ、アルバイトであってもその条件を満たしていればプロだし、逆に正社員でもその条件を満たしていなければプロではない。プロになるためのはじめの一歩として、「プロのフリをして実績があるように振る舞う」ことが、賢い選択である。

第3章
人生100年時代といわれる現代において活躍できる人材になるためには、国が提唱する社会人基礎力のひとつである「前に踏み出す力」を鍛えなければならない。様々な変化が求められるコロナ禍、令和の時代では「平成のおだやかな感覚」を捨てて、前に踏み出すための「サバイバル力」を身につけることで、活躍できる人材として生き残ることができる。

第4章
変化の激しいこの人生100年時代、経験則や直感だけでは対応できない状況が増えることは容易に想像できる。そこで国は、活躍できる人材として生き抜くために「前に踏み出す力」に加えて「考え抜く力」が必要だと提唱している。課題発見力・計画力・創造力の3つで構成される「考え抜く力」が問題解決をする上で必須の力になってくるのである。

第5章
これからの社会でプロフェッショナルとして力を発揮するためには、「強い絆」と「弱い絆」をつくれる人になり、チームで仕事をする力を身につけることが必要である。一人だと楽だと考える人もいるかもしれないが、それでは絶対に成果は出ない。お互いに何を考えているか推測し合える協力関係をつくることがハイレベルな成果を出すことにつながる。

第6章
職場で強いストレスを感じている人は6割以上だと言われていますが、何らかのストレスを感じている状態では、仕事は苦行でしかない。そこで、仕事を楽しむために「いかなるストレスも実態ではなく『自分がつくり出したものでしかない』と客観視できる冷静な目を養う」ことで、モチベーションを維持する力を身につけることが大切である。

はじめに

「毎日、ワクククしていますか?」「仕事でワクワクする」と聞くと、ちょっと気持ち悪いと思われたかもしれません。「仕事が特別につまらないわけではないけど、そこまでワクワクするものではない」それが普通ではないでしょうか?
私も、以前はそうでした。「それでいい」と思っていました。むしろ、「ワクワクしている?」と聞かれたら、イラついたかもしれません。「何をきれいごとを言っているのだ」と。
でも、今はまったく、そうは思っていません。理由は2つあります。・いかなる仕事でも、ワクワクすることは十分に可能であるとの確信を得ているから・常に圧倒的な成果を上げている人は、例外なく自分の仕事にワクワクしているから
逆に言うと、自分の仕事が何であれ、常に仕事にワクワクすることができれば、その道のプロフェッショナルに大きく前進できるというわけです。
では、そもそもそのワクワクとは、どのような状況を指すのでしょうか?
私なりの定義は、「仕事を通じて、挑戦を楽しみ、成長を実感できている状態」です。さらに加えます。「たとえ、困難な状況になったとしても、また、来たか、と、あたかもRPG(ロールプレイングゲーム)のように、新しい方法で、時には人の力を借りて、次々と解決していく」ことを楽しむ状況を指します。
そんなエキサイティングな状況を「ワクワク」と考えています。いかがでしょうか?イメージしていただけたでしょうか?
「半分、わかる、でも、半分、わからない……」もし、そうだとしたら、もう少しだけ、私の話を聞いてみませんか?
偏頭痛の日々からの脱却自己紹介をさせてください。私は、研修会社を営む、企業研修講師の伊庭正康と申します。
前職のリクルートでは、営業を10年、その後、営業マネジャー、部長を経験し、3歳で小さな関連会社の代表になり、独立を果たしました。
今は、年間200回、累計4万人を超えるビジネスパーソンに向けて、営業研修、リーダー研修、セルフマネジメント研修等を通じて、自分らしく成果を出す方法、つまり、「仕事でワクワク」するセオリーを紹介してまいりました。その研修のリピート率は9割を超えているのが、私のひそかな確信になっています。でも、白状します。
20代の時の私は、ワクワクどころか、常に偏頭痛に悩まされる、そんな状況でした。ストレスがたまっていたのでしょう。「目の下にはクマをつくり、顔色は常にドス黒く、客先では「伊庭君、体調は大丈夫?」と心配されることもしばしば。
平日は、偏頭痛を抱えながら、飛び込み営業をし、週末は、倒れこむようにゴロゴロし、日曜の夜は、「また、1週間が始まる……」と憂鬱になる……。「この状況から何とか脱却しなきゃ、ずっと苦しいままだ」日に日に危機感を覚えるようになりました。
大きく変わったのは、本当にチョットしたことがきっかけでした。「自分なりに小さな工夫」を増やしてみた」これだけのことです。みなさんと同様、ビジネス書をよく読んでいました。だまされたと思って、そこに書いてあったことを、自分なりにアレンジをして実験をやり始めたのです。といっても、営業のトークを変える、ツールを自分で作成する、そんなレベルのことです。もし、他の人と違うとしたら、工夫の量、とやり抜くしつこさ、くらい。驚きました。たったこれだけで、まず仕事が面白くなり、その後に、結果を得られるようになりました。今から思うと、自分なりの工夫を入れるという小さなチャレンジが自分を変え、仕事の向き合い方を変えたのです。
社内の些細な結果ではありますが、リクルートでは、年間の全国一位を4回、そしてゆ回を超える表彰を受けられたのは、これがきっかけになっていると実感しています。
実は、科学的に証明されていた。1人の経験だと偶然でしかありません。実は、科学的にも証明されています。「ジョブ・クラフティング」という理論です。ジョブ・クラフティングとは、米イェール大学経営大学院のエイミー・レズネフスキー教授とミシガン大学のジェーン・E・ダットン名誉教授が、2001年に提唱した理論のことを言います。
一見すると、退屈な作業、やらされ感、を感じる業務であっても、向き合い方を変えることで、やりがいのあるものへ変容させる手法として注目される理論です。
「仕事の意義を考える」「接する人を変える」といったことから、「自分なりの工夫をする」といったことなど、ちょっとしたきっかけによって、仕事観が変わることを実証するものなのですが、私の場合は、「ちょっとした工夫」をきっかけに仕事観が大きく変わった、というわけです。詳しいことは、この本の本章で紹介するとしましょう。
「日々の仕事で、もっとワクワクしたい。もっと結果を出したい。そんな自分になりたい」そう思っている方に向けて、具体的なノウハウをこれでもか、と思うくらいに詰め込みました。
なので、すべてをチャレンジする必要がありません。「今の自分にはコレが必要かな」「まずは、コレをやってみようかな」つまみ食いでも大丈夫です。大事なことは、まず実践してみることです。では、さっそくまいりましょう。

株式会社らしさラボ代表取締役研修トレーナー伊庭正康

目次

はじめに
第1章
なぜ一流は、「逆境」でも仕事を楽しめるのか?
そもそも「仕事が楽しい」とは、どういうこと?
仕事は楽しい、はキレイごとなのか?
「遊ぶように働き、働くように遊ぶ」を手に入れる
しんどいな、と思ったら、「ジョブ・クラフティング」を実践してみる
日々の仕事が「ワーク」から「プレイ」に変わる
年収2600万円のオファーを断った、時給1100円の一流の男の話
お金より大事なこと
仕事を楽しむ人ほど、仕事を「学びの機会」ととらえている
一流の人が、同じ仕事でも飽きない理由
/ルーティンワークは「同じこと」の繰り返しではない/「ロールモデル」をカスタマイズする
/ロールモデル探しが難しい時代/「部分的ロールモデル」の発想とは/なぜ一流は、「会社をやめれば」と言ってくれないのか?w
/周囲は「向いていないなら、やめればいい」と言うが……/あなたには、無限の可能
性がある/あなたの存在を「コモディティ化」させてはいけない市
/どうして、効率アップをしても仕事が面白くならないのか/どんな仕事でも簡単に面
白くする特効薬
第2章
プロフェッショナルのマインドをインストールする
そもそも「プロ」とは、どんな人を指すのか?
/そもそも、プロの定義とは/バイトでもプロ、正社員でもアマチュア/
ルーティン業務であっても、「自分にしかできない仕事」にアレンジ。
/「自分にしかできない仕事」を目指すと、大きなチャンスがやってくる/「自分は、
これが好きかな」を仕事に採り入れる/まずは、俳優のごとく、プロを「演じる」。
/カタチから入るのが賢い選択「会社の看板がなくても、稼げる人」を目指す
今、会社がなくなっても生きていけますか?
もし、あなたが「A:収入低下」だと思ったら、「今、辞めたら、自分はどうなるか」から逃げない/「賞味期限の短い人」にならないために!?
/ビジネスパーソンにも「賞味期限」がある/「異質」の情報からヒントを得る/なぜ、プロは、「ウチの会社」と言わないのか?
会社と自分の関係を整える。無名の会社でも「あなたの価値」は高められる
自分の「看板」を考える習慣を持つ/「あなたが製品」という発想/プロの価値は、「希少性」で決まる。
/人と一緒だから安心、はリスクでしかない/まず、部署の中で「希少な存在」になる/風邪をひく人はプロとは言えない。
/「穴」をあけないよう、万全を尽くす/あけてもいい「穴」を決めるのも大事
第3章
仕事を楽しむためのサバイバル力をインストールする
先行きが見えない時代は、「サバイバル力」を必要になる。
/コロナ禍、あなたはどう過ごした/レベルが高すぎる、と思ったら/変化にとり残されないために、「捨てるべきこと」。
/時代の変化に後れをとらないために/先行き不透明な時代をサバイバルするために「捨
てるべき発想」/今こそ、委縮している場合ではない!「冷静に判断できる方法」を身につけよう
自分なりの「判断基準」を決めておく/判断軸を増やせば、さらに迷いはなくなる/
加重をかけてもOK/最悪に陥る「確率」を出せば、逆境でも前向きな判断ができる!
/最悪のシナリオになる確率を計算する/「窮地に追い込まれた時」の想定をしておく必
/失敗は予防できる/迷った時は、強制的に「予定」に入れてしまう意志力に頼らない/手帳が、「あなたのマネージャー」になる/*棺桶リスト』で、挑戦の先延ばしを予防する/「棺桶リスト」をつくる/「棺桶リスト」は人生を変える効果がある/
第4章
「考え抜く力」で、仕事がもっと面白くなる!
仕事はゲームと一緒で「考え抜く」から面白い/もがきながら、楽しんでいるか?/乗り越えることを楽しむためには、「考える力」が必要になる/一瞬で頭をよくすることはできる!/自分の「能力を超える」簡単な方法/ロジックツリー、使い方の「超」基本「三手先」を考える人は、戦わずして「勝つこと」すらできる/「二手目」を考えられるかどうかで、差はつく/戦わずして勝利した営業責任者オセロは「角」をとった者が勝つ!では、ビジネスの「角」の見つけ方は?/オセロの角を早く見つけよ/トップパフォーマーは「逆算思考」で結果を出している/「目標を外さない人」と「目標を外す人」の大きな差/単調で、決まりきったことの繰り返し/ゲームのルールを変えられないのか?最後に勝つのはルールを疑う人である/スマホでも時間がわかる時代に、100万円の時計が売れ続ける理由/あなたがやっている仕事自体を疑ってみる/「ありえないやり方」を思いつく人になる方法/アイデアのつくり方を知っておく/
第5章
チームで仕事をする力をインストールする
「強い絆」と「弱い絆」をつくれる人になる/「強い絆」と「弱い絆」/誤解を与えないために必要な、たった1つのこと/「会わずに話がしたい」時代/チャットに慣れているからと言って安心はできない。
国が定める「チームではたらく力」とは/「超」性善説がチームの成果につながる|達観する。という名の「割り切り」/まだ、納得できない方へ/相手の立場に立てる人が持つ3つの眼』。「仕事は仕事」では、これからはやっていけない、相手の立場に立つ、簡単な方法「伝わっていない」を改善する,箇条書き思考』/「箇条書き」で伝えるとは?/箇条書き思考で伝えること/相手の感情をケアする「話術」を身につける。嫌われる人は「話す順序」に問題がある/
「人にお願い」ができないのは、人を信じていないから。
/「人を信じていない」ことを自覚する/人を信じて、お願い上手になるコッ/メンタリストのごとく、相手を理解できる「ソーシャルスタイル」。
/ソーシャルスタイルとは/「相手のルール」に合わせた対話のコツ/
第6章
モチベーションを維持する力をインストールする
プレッシャーを味方につける人になる/適度なストレスは、エネルギーになる/自分で自分を超える時、「逆U字仮説」ストレスの「正体」を知ると、ストレスに強くなれる?
/ストレスの正体とは/「自分を客観視」できる人になる/あなたの「心の癖」を把握しておく。
10個の「心の癖」/あなたがストレスを感じるパターンは、いつも一緒
とっさのおまじない、を仕込んでおく/ゆがんだ「心の癖」を一瞬で治す方法/あなたにフィットする「セルフトーク」のつくり方/決意をするより、「つき合う人」を変える/5人の中の真ん中の法則/心を鬼にして、「つき合う人を選択する」と決める/「自分のやりたいこと」に目を向けてみる/優秀な人ほど、人生の目的に気をかけない、あなたの「Will-Can-Must」を明確にしておく
絶対に譲れない「こだわり」を持つ
「やりたいこと」が見つからない場合/あなたの「価値観」の見つけ方/つらいことも進捗の法則で勢いをつける!/「進捗の法則」を知る/あなたにしかない「強み」を活かす/それでもやりたいことが見つからない場合/あなたの強みを見つける方法/強みを活かす方法
カバーデザイン・三森健太(JUNGLE)
第1章
なぜ一流は、「逆境」でも仕事を楽しめるのか?