コロナ時代をチャンスに変える 新しい仕事術

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コロナ時代をチャンスに変える 新しい仕事術

「コロナはいつ終わるのか」と考える人は、「元の世の中に戻る」と思っている人です。しかし、そうではありません。新しい時代がすでに始まっているのです。トラブルは、今まで気づかなかったことに気づかせてくれるチャンスです。今日という日はチャンスの一日であると気付くことで、コロナ時代がチャンスに変わるのです。

第1章 リモート会話術
コロナ前の会議では、話している人がホワイトボードを見て、聞いている人はノートや企画書を見ていることが多かったです。しかし、リモート会議になって初めて相手の顔を意識するようになりました。そうなると、話している人は相手のリアクションに注目して話すようになります。リモートでの会話では生で会っている時と比べて、コミュニケーションの得意な人と苦手な人の格差が広がっていくのです。

第2章 メンタル術
自粛生活によってメンタルが崩れる人は大勢います。自粛生活がいつまで続くかわからない、一方で自由を強いられるという2つの大きなストレスは、メンタルが弱くなる原因です。自由とは、自分の欲望に支配されて動くことではありません。自分で選択して行動し、責任転嫁せずに全ての責任を自分で背負えるのが本当の自由であり、自由でいることはメンタルを強くしていきます。

第3章 マナー術
品位というのは、平静時にはわかりません。いざピンチになった時に、本当に品のある人とない人とにくっきり分かれます。自粛の時も、品位のある人とない人にくっきりと分かれました。「自分はどうなってもいい」という発想は、周りに迷惑をかけます。視野を広く持つことができる、人にいかに迷惑をかけないようにできる、助け合うことができるということが品格なのです。

第4章 時間術
チャンスを掴めるのは、現在のような混乱している時代です。ウイルスという外圧によって新しい発想が入ってきたおかげで、社会が一気に変革する時期がきました。自分で考えて行動することを楽しめる人が、イキイキできる時代なのです。どさくさを変化のチャンスにし、混乱のうちになにか行動を始めましょう。

第5章 仕事術
想定外のことが起きたときに人は、「受け身の人」と「自発の人」に分かれます。「このままがいい」と思うのが受け身で、「戻らなくていい」と思うのが自発です。見返りを考えずに自ら行動を起こす。イヤなことを避けずにしたいことをする。自発の人の方が、仕事での成功に一歩近づきます。自分自身が、自発であるか受け身であるかを選択しています。自発の人になりたいと思ったら、自分で選択すれば良いのです。

第6章 コミュニケーション力
ピンチのときには、「優しくされる人」と「優しくされない人」に分かれます。その人の立ち振る舞いや普段の行いが、優しくされる行動かどうかで分かれるのです。例えば、新しいビジネスを始めるときに、先輩に好かれたアドバイスをしてもらえる人は、その仕事に対するリスペクトがある人です。優しくされなかったとしたら、自分がその原因を作っていると考え、自分の行動を振り返る必要があります。

第7章 勉強術
感染症が広まる状況では、無知から疑心暗鬼が生まれています。未知のものは不安です。不安をなくすために大切なことは、気づきを得て学習をすることです。不安は無知から生まれます。また、仕事がうまくいかないことも無知から生まれるのです。「あの人は知識が多いから」という人がいますが、これは知識という結果の差を見ているだけです。「あの人」は勉強をしているから知識が多い、という原因に気づくことが大切です。無知は勉強をすることで克服できます。

中谷彰宏 (著) , リベラル社 (編集)
星雲社 (2020/10/16)、出典:出版社HP

まえがき

「いつ終わる」と考えない。「新しい時代」が始まったのだ。

「いつ終息するんですか」という質問を、よく受けます。それは考えなくていいのです。「いつ終わる」と考えることで、すでに「待つ」という受け身になっています。感覚としては、「これが終わって元の世の中に戻る」と思っているのです。そうではありません。新しい時代が、すでに始まっているのです。これは大きな違いです。用意、スタート、パーンの「パーン」が聞こえている人と聞こえていない人とにわかれます。「いつ終わるんでしょうね」と言っている人は、「いつ前のように戻るんでしょうね」と言っているのです。これが終わって以前のような生活に戻ることをイメージしています。前の生活に戻ることはないのです。

これと似た現象が明治維新の時にもありました。明治維新が始まって最初の10年間は、「大政奉還で何かしたようだけど、そのうちまた武士の時代に戻るに違いない」と思っていた武士が大勢いました。彼らを西郷隆盛が率いて西南の役になったのです。一方で、海外を見てきた連中がいます。日本は江戸時代の間に、世界の中で260年間、時間が止まっていました。すぐになんとかしないといけない状況です。攘夷とか、ちょんまげとか言っている場合ではないのです。海外に行った連中は、世界の時間が進んでいる間に自分たちの時計が止まっていたことに初めて気づきました。ここで差がつくのです。今も同じです。「これが終わったら前のように戻るんじゃないか」と期待している「ちょんまげ」の人がまだいるのです。

前の生活には戻りません。今の状況を楽しんだ者勝ちです。やっと遅れを取り戻したのです。コロナによって、敗者復活のチャンスが来たのです。敗者復活のチャンスを、活かさないのは、もったいないのです。政府を頼ろうとしても、政府はまだ「ちょんまげ」です。保健所は、メールで送ったものを手書きで書き直してファクスで送っていました。日本は何十年も前から「IT立国」と言いながら、いつの間にか何周遅れの国になっていたのです。IT革命は国が起こすのではなく、自分の中で起こします。自分の中で新しい時代が始まったことに気づけるかどうかです。社会の意識革命を待っていたのでは間に合いません。自分の意識が変わることによって、社会の見え方が変わってきます。これが大きいのです。社会を変えようということではありません。自分の意識を変えれば、社会の変わってきたところに気づきます。「あの会社は、もうこんな取り組みをしている」と思えるのです。自分の意識が変わっていないと、世の中の遅れているところばかり目につきます。「みんなは、まだこうしている」としか思えなくなるのです。世の中は、「遅れている部分」と「進んでいる部分」があります。進んでいる部分から置いてきぼりにならないように頑張るのです。これがその人の時間感覚です。遅れている人を見るのではなく、進んでいる人を見ておくことです。「元へ戻ることを期待する」という感覚が、すでに違うのです。

中谷彰宏 (著) , リベラル社 (編集)
星雲社 (2020/10/16)、出典:出版社HP

もくじ

まえがき 「いつ終わる」と考えない。「新しい時代」が始まったのだ。

第1章 リモート会話術
笑顔で考える人に、アイデアと人が集まる。
選手になるか、観客になるかを選ぶ。
リモートで、自発と受け身の差が開いた。
聞く人が、聞いてもらえる。
「会話に入れない」というのは、入り方を学んでいないだけだ。
リアクションのある人が、会話ができる。
リモートは、大人のルール。大人のルールでは、指名をしてもらえない。
大人の会議に、質問タイムはない。
「理由は?」と聞かれたら、大人の発言になっていない。
「みんなと同じ」に価値がなくなる。感想は、同じ。分析と妄想で、違いが出る。
「そうそう」という相づちは、コミュニケーションになっていない。
知識が一流でも、伝え方が二流なら、二流。伝え方が一流でも、知識が二流なら、二流。
リモートで、知らない人と話すマナーを身につける。
パソコン・マイク・照明の性能を上げることで、リラックスできる。
自分の画像を見て、修正できる人がうまくなる。
きちんと映れる人は、きちんと話す。

第2章 メンタル術
好きな時に食べることが、自由ではない。
責任転嫁しないことが、自由だ。
不安は、飲むことでごまかせない。
誰かがなんとかしてくれると考えると、ストレスだけが残る。
「普通」も「みんな」も存在しない。
不安は、小分けにすることで小さくなる。
不安は、解決しなくていい。対処すればいい
できないのではなく、恥ずかしいだけだ。「できないこと」は、恥ずかしくない。「恥ずかしがること」は、恥ずかしい。
ダメダメ2号と、ヘンタイ3号を持つ。
緊張している人は、緊張感がない。緊張感のある人は、緊張しない。
「諦める」は受け身。「諦めてあげる」は自発。
理不尽は、全員に平等に起こる。ほかの人の理不尽が見えないだけ。

第3章 マナー術
マスクをすると、本当の笑顔の人がわかる。
ピンチになった時、品のある人とない人にわかれる。品格とは、救急車に道を譲ることだ。
視野の狭い熱意より、視野の広い品格。
欲望を制御できなくなることを、老化という。
欲望を制御できるようになるには、いつもと違うことをすることだ。
「なりたい自分」より、「ありたい自分」を持つ。
ウイルスより、利己的意識が恐ろしい。
ピンチに強い人は、長期戦に強い。
健康への意識格差が、広がる。
健康管理の差で、人脈がわかれる。
対策も立てず、行動もしないより、最大限の対策を立てて、行動する。

第4章 時間術
正解がない時代は、正解がない間に始めるのがコツだ。
日本は外圧で変わるのがお家芸だ。
椅子に座っている時間の長さは、関係なくなった。
ずっと前から、リモートだった。遅れていることに、気づいただけ。
仕事に追われるのではない。追いかけさせているだけだ。

第5章 仕事術
危機は人を、「受け身の人」と「自発の人」にわける。
「集客したい」という人に、お客様は集まらない。感動したお客様だけが集まる。
「幸せにもなりたい」というリーダーに、部下はついていかない。
新しい仕事との出会いが、増えた。
新しい仕事は、工夫をしないと勝てない。
矛盾の中に、新しいチャンスがある。
自発とは、「ここままじゃ面白くない」だ。受け身とは、「このままキープしたい」だ。
行動とは、イヤなことを避けることではない。したいことを選ぶことだ。
アウトプットは、自発。リターンは、受け身。
副業で成功する人は、その仕事の難しさを知っている人だ。
ビュッフェが自粛になって、料理を説明する楽しみを知った。

第6章 コミュニケーション術
他者を守ることが、自分を守ることだ。自分を守ることが、他者を守ることだ。
悪者をつくっても、自分が正解になることはない。
優しくされないのは、優しくされない行動をとっているからだ。
キッチンカーで成功する人は、先輩からアドバイスしてもらえるマナーのある人だ。

第7章 勉強術
自分の未来を信じる人は、勉強する。自分の未来を信じる人は、人を助ける。
うまくいかない原因は、無知と緊張。無知は勉強で、緊張は体験で乗り越える。
「わからない」のではない。わかろうとしていないだけだ。
素直な人は、教えてもらえる。素直とは、先入観にしがみつかないことだ。
やり方がわからないことは、教わる。
結果にスランプはあるが、勉強にスランプはない
知識で負けているのではない。勉強で負けているだけだ。
勉強したくなるコツは、勉強している人を見ることだ。
恐れは、無知から生まれる。未知に間違い、気づくことで恐れなくなる。

あとがき
トラブルは、神様からのラブレターだ。
リモート会話術

中谷彰宏 (著) , リベラル社 (編集)
星雲社 (2020/10/16)、出典:出版社HP