【2020】おすすめREITを始めるための書籍 – REIT投資をするには?
REITおすすめ書籍(要約/レビュー)
Real Estate Investment Trustの頭文字をとったREIT。不動産投資信託の日本語としても通じますが、現在はREITまたは、それの日本版という意味でのJ-REITととしても浸透しております。
不動産投資でも、アパートやマンションを購入したり建てたりする不動産投資のことを、現物不動産投資といい、この場合、ワンルームマンションなどの投資でも最低でもマンションの一室を購入できる程度の資金が必要になります。また、その投資が望んだ通りの収益をもたらしてくれるかどうかは、購入したマンションが空室になることなくきちんと賃料を生んでくれるかという一点にかかっています。この様に、個人が現物不動産投資を行う上では、一定の資金量が必要な点、投資の成否が保有する不動産の稼働状況、保有する不動産の管理が必要になる点などが負担・リスクとして強く存在しています。
一方、JREITに投資する場合は、不動産に直接投資する訳ではなく、間接的かつ小口化された投資商品にお金を投じることになります。上述の現物不動産への投資と比較すると、少額での投資が可能である点、投資先であるJREITは複数の物件を保有しているのでリスク分散が効く点、不動産の管理はJREITから委託されたアセットマネジメント会社が行ってくれる点、投資の出口として市場でJREITの投資口を売却することで現金化が容易である点などの多くのメリットがあります。
今回は、J-REITに興味をもった方向けに、不動産証券化について短時間で正しい知識を身につけられ るよう、簡潔で丁寧な解説に力を入れた説明、またREITを初められる、投資をできるプロセスを具体的に書かれた書籍4冊を実際に数多くのREITの書籍を選んだ際に読んだレビュー付きでセレクトした書評と紹介します。
はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント
本書は、日本版不動産投資信託であるJ-REITの基本的な知識と銘柄の選び方や取引の手法についてまとめられています。株式と比べて、歴史の浅い金融商品であるREITは、仕組みや商品の特徴があまり知られていない状況があります。その一方で、日本銀行の金融緩和政策にREITの買い入れが含まれていることや不動産投資への関心の高まりもあり、REITへの注目も徐々に高まっています。そのため、REITに関心があるけどよくわからない、といった方に向けられた書籍として本書が書かれています。
REITは株式やETFと同じように、市場で売買できます。また、分配金利回りの高さから、インカムゲインが主な目的になりやすいとされています。このような基本的な情報、知識の解説が記載されており、基本的な内容を知りたい、という方には本書は選択肢の一つになるでしょう。その他に、株式との比較を行っていたり、REITのタイプごとの特徴をまとめています。
以前では、不動産投資を行う際には高いハードルがありました。しかし、REITによって、10万円程度でも不動産への投資が行えることができるようになりました。自分で不動産管理を行う必要もなく、不動産という実物もあるため、心理的ハードルも比較的低いといえるかもしれません。
ただし、REITもリスクが伴います。株式と同様に価格が下がるリスクが存在します。また、景気の変動の影響を受けて、分配金が減少する可能性も十分あります。本書は、2015年に出版されていますが、東京オリンピック後の不動産市場を懸念しており、REITも影響を受ける可能性を指摘しています。
例えば、著者はREITは中長期投資が基本であるとしているため、東京オリンピック後の不動産の市況を考慮して投資する必要性を説いています。
唯一気になった点は、東証REIT指数とTOPIXの比較をするグラフが上昇率で比較せず、数値で比較しているため、わかりにくいところです。
ただ、全体的に、初心者でも理解しやすい内容で、投資判断の仕方も具体的であるため、基本的なことを学べる入門書といえるでしょう。
目次 – 賢く貯めて、上手に資産運用はじめての人のJREIT 基礎知識&儲けのポイント
はじめに
第1章 注目の金融商品『Jリート』その波が確実に来ています!!
【01】 変わり始める資産運用の在り方。今、世代を超えて「Jリート』 が熱い!!
【02】 2012年末以降は市場も回復。「東証REIT指数」も上昇傾向に!
【03】 ついに、あの日銀が動いた!!買い入れ枠の拡大で市場に資金が集
【04】 夏季オリンピックが東京に決定!! 日本経済に〈カミカゼ〉が吹く……?
【05】 「最長5年間は非課税」―。『NISA』の登場で注目度アップ
第2章 絶対に押さえておく!! 基礎知識と特性&運用の仕組み
【01】 「安定性」と「高い収益が期待大」。これが『Jリート」の特性です
【02】 「誰が」「何を」「どのように」….!?投資法人タイプにおける重要な役割
【03】 メインの収益は分配金ですが、値上がり益を狙う動きも見られる
【04】 『Jリート」で投資対象となる不動産のタイプ&特徴を徹底解説!
【05】 今後も増える可能性大! 現在、53銘柄が東京証券取引所に上場
【06】 株式投資とは「何が」違うのか?比較検証してみよう
【07】 実物不動産投資との違いは? 比較検証してみよう
【08】 『Jリート』の魅力にプラス a。とっておきの良い情報を教えます
第3章 銘柄選びのポイントから売買ルールまでを把握しておこう
【01】 どの投資スタイルで始めますか? スタート前に決めておこう
【02】 分配金に直結する「内部成長」投資する側が注視すべき点はどこか?
【03】 分配金の増額に直結する「外部成長」も見逃せないポイント
【04】投資法人の運営を左右する「内部留保」…..できるものは何か?
【05】 もう一歩踏み込んでみると、分配金の変動要因が見えてくる
【06】 「スポンサー」が持つ信用力は各銘柄の投資口価格にも影響大!
【07】 「どの銘柄を選べば良いのか」悩んだときのオススメ解決方法
【08】 一連の流れを押さえたら、さあいよいよ取引スタートです
第4章必ずリスクを理解する!! 投資に参加する者の鉄則です
【01】 『Jリート」のリスクとは? 絶対に押さえておくべき大切なこと
【02】 分配金は一定ではありません!! 空室や賃料水準の低下で大幅ダウン
【03】 不動産は〈生きもの〉です。避けては通れない老朽化のリスク
【04】 金利の動向は良くも悪くも大切な分配金に影響を及ぼします
【05】 地震や火災等の予期せぬ事態。不動産の収益性が低下する可能性アリ
【06】 まさか!? そんなはずは……。上場廃止や倒産もゼロではありません
第5章 的確な投資判断をするためにデータ分析・検証は欠かせない!!
【01】 Jリート市場全体の動向は「東証REIT指数」で丸わかり
【02】 分配金利回りの推移を検証して投資判断に役立たせる
【03】 1年に数回公表されるタイミングで地価の動向をチェックしておこう
【04】投資判断に役立つ指標と各投資法人のホームページの見方
【05】投資家別の売買状況は今後の市場を予測する重要なデータ
第6章読んで納得!! 学んで実践!!目指すは分配金収入アップ
【01】 まずは王道の「コツコツ投資」で定期的に分配金を狙おう
【02】 分配金がメインだけど…..、ときには売却で利益確定もアリ
【03】 短期投資は有効なのか!? キャピタルゲイン狙いの留意点
【04】 1年中、分配金が受け取れる!? やり方次第では……実現可能で
※本書に記載された数値、ならびに各銘柄のデータ等は、2015年 7月時点のものです。
※本書に記載された内容は、情報の提供のみを目的としていま す。投資や運用における判断は、読者各位の責任においてお願い 致します。本書の情報を用いた運用の結果は、著者、ならびにすばる舎は免責とさせて頂きます。
装丁 菊池祐
本文デザイン
藤本いづみ
写真提供
安友写真事務所・安友康博
はじめに
「個人の方が不動産に投資する」―。
以前は、ごく一部の富裕層の方が中心となって行なわれていた不動産投資。
ところが今は……少し様子が変わりました。税制や法改正など、不動産市場を取り巻くさまざまな環境が整ってきたことで、一般の会社員の方や主婦の方なども資産形成の1つとして興味を 持ち始めています。
とはいえ、不動産投資というと、今でもまだバブル時代のイメージが先行し、「派手だ」「危なそうだ」といった負のイメージ を持たれている方も少なくありません。
そういう側面も否めませんが、現在の日本における不動産投資は、意外と地道にコツコツと収益を得るスタンスです。基本的には、毎月の賃料収入を目的にしており、短期間でキャピタルゲイン(値上がり益)を狙うバブル時代のものとは一線を画します。2007年~2009年頃の世界中を席巻したサブプライムローン問題や、リーマンショックといった暗黒の金融危機時に株式投資やF X投資をされていた方たちが、「安定した収益を得られる」ということで、不動産投資に注目し始めたことは新鮮でした。ただし、そこには「投資金額」という大きな壁もあったのです。
不動産に投資するといっても、実物不動産の場合は、金額も一 般に数百万円〜がほとんどで、場合によっては数千万円や億単位になることも。多くの方は銀行等の金融機関から融資を受けるわ けですが、それでも高額の借入には不安がつきまといます。
そうしたなかで、少額からスタートできる『Jリート」が誕生したことは、個人投資家の参入に拍車をかける画期的な出来事で した。
基本的にこの金融商品は、株式投資やFX投資のように頻繁に 売買するものではなく、中長期投資でインカムゲイン(資産を保有することで得られる収入)を狙います。つまりは定期的に分配金を受け取る金融商品です。
正直に申しますと、『Jリート」はまだまだ投資の世界では《新参者〉であること、また株式投資やFX投資に比べて、投資初心者の方が、その仕組みや運用方法等を理解するのは、少々小難しいと感じることでしょう。
現に、私のセミナーでも「興味はある。でも、よくわからない から躊躇している」といった声を聞きます。自分の大切なお金を何だかよくわからないものに投資することはできない。当然ですよね。ただ『Jリート』は、必要な知識やルール等を身につければ、効率的に、且つ着実にお金を増やしていくことも不可能ではありません。本書は、初めての方でも理解して頂けるように、極力わかりやすく解説することに努めました。
まず第1章では、不動産市況の過去と現在、さらに国策のお話 も交えつつ、「なぜ今、個人投資家の間で『Jリート』が熱いの か?」といった点にフォーカスしています。
続く第2章は、仕組みや特性、魅力といった押さえておきたい基本的な知識や情報等に触れていますので、ここでこの金融商品 の全貌が見えてくるはずです。株式や実物不動産との違いもご理解頂ければと思います。
第3章では、現時点で東京証券取引所に上場しています53銘柄のなかから、自分が投資する銘柄を選ぶ際に「どのような視点を持つべきか」「着目すべき点はどこか」などといったことを〈体 系的〉にまとめました。中長期的に成長していく『Jリート』を見極めるうえで、いくつかの押さえておくべきポイントも紹介し ています。 第4章は、リスクに関するお話です。いくら「関心度が高い」「魅力がある」とはいえ、やはりそこは金融商品。当然にリスク はあります。金融商品ゆえのリスク、不動産投資ならではのリスク………双方の視点から、気をつけるべきことを解説しました。
第5章は、投資するにあたり、押さえておくと有効なデータや指標、その見方などにページを割いています。最終章では、『Jリート』で儲ける、いわば分配金収入をアップさせるコツを、私の実体験に基づいた持論も絡めつつ、ご紹介しました。
私自身は、実物不動産から入り、その後『Jリート』も含めた 運用をしています。
同じ不動産投資でも、双方の類似点や相違点を知ることで〈新たな気づき〉に出逢い、またそれらはお互いのメリット・デメリットを補い合うことも可能にしています。
本書が1人でも多くの方に読んで頂き、『Jリート』へ投資するうえで、何かお役に立つことができれば、これほど嬉しいことはございません。
北野琴奈
第1章
注目の金融商品『Jリート』その波が確実に来ています!!
01 変わり始める資産運用の在り方。今、世代を超えて『Jリート』が熱い!!
◆時代とともに不動産投資への関心度が高くなっています
少し前までは、土地持ちや資産家でもない一般の方が「不動産 で資産運用する」というと訝しがられました。「何だか怪しい」「うさんくさい」などと、不動産投資に対するイメージがあまり良くない風潮が、そこにはあったからです。「今は?」……そうした風潮も、ずいぶんと少なくなりました。むしろ効率的にお金を増やしていく方法として関心を持つ方が増 えています。
現に、書店へと足を運べば、不動産投資を題材にした書籍や雑誌が所狭しと陳列されていますし、コーナーを設けているケース も。さまざまなメディア媒体等で「サラリーマン大家で儲ける!!」「主婦でもできる不動産投資術」などといったうたい文句を目に された方も多いのではないでしょうか。
そもそも不動産投資に関心を持つ方が増えてきたのは、2000年 代に入ってすぐの頃です。きっかけの1つに、1冊のベストセラー書籍の存在が挙げられます。 発売から15年以上経った今も〈資産運用のバイブル〉として、多くの方に愛読されている『金持ち父さん 貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ/シャロン・レクター:筑摩書房刊)です。じつは 私も、この書籍に感化され、不動産投資の勉強を始めた1人でした。
ところで、2000年以前の不動産市場はどのような状態だったのか――。時代背景とともに、ちょっと触れておきましょう。それ以前の不動産市場は、80年代後半~90年代初めにかけての「バブル&バブル崩壊」といった日本経済の栄光の時代、そして 低迷期。この両面を経験しています。
バブルの頃は、「不動産は何であっても必ず値上がりする」という土地神話のもと、一般の方がキャピタルゲイン(値上がり益)だけを目的に、ローンを組んで不動産を売買することが、当 たり前のように行なわれていました。
今では考えられませんよね。でも、当時は賃料収入などのイン カムゲイン(資産を保有することで得られる分配金や配当金による利益)としての収益性は関係なく、不動産価格のみがどんどん上昇していく―そんな異様な時代だったのです。
その後、行き過ぎた不動産価格の高騰を抑えるために、国が金融機関に対して指導を行ない、不動産関連への融資が引き締められました。これを境に、日本の不動産市場は長期低迷への道を歩むことになったのです。
バブル崩壊後の90年代では、もともとの土地持ちや資産家が 「土地の所有」から、相続対策等も含めた「土地の活用」へと移行し始めます。結果、賃貸経営をすることが主流になりました。 基本的に金融機関は、土地を担保にできたり、豊富な資金力がある方のみにしか融資を行なわなくなります。そのため一般の方が 「自宅以外の不動産を購入して、それを資産運用しよう」などと 考えることは、皆無に等しい時代でした。
そうしたなか<転機>が訪れます。 不動産の評価法として、日本で「収益還元法」が定着し始めた
のです。
詳細は後述しますが、これは「土地や不動産を活用した結果、 得られる利益に着目して価格を設定する方法」のことで、すでに 海外では取り入れられていました。
日本でも2000年前後から徐々に浸透し始め、不動産の資産価値 をはかる方法として重視されるようになったのですが、マイホー ムといった実需を含めた不動産市場全体に目を向けると、まだまだ主流には至っていません。
とはいえ、少なくともこれから解説する『REIT(不動産投 資信託)」を含めた現在の不動産投資のマーケットでは重視され
ているのは事実です。収益還元法も併用して、融資審査を行なう 金融機関が出始めたことで、個人が手掛ける実物不動産への投資が拡大し、今では「不動産投資はインカムゲイン」という考えが定着しています。
海外ETFとREITで始めるインカムゲイン投資の教科書
本書は、リーマンショック以後の経済の流れと金融商品や為替、海外証券口座に関する解説を行っている本です。海外ETFとREITで始めるとタイトルにはありますが、債権やFXについての解説もあり、身近な金融商品については網羅している内容だと言えます。
また、タイトルには、インカムゲイン投資の教科書と書いてありますが、インカムゲインをどのように得るか、という方法に関する記述はそれほど多くなく、知識の整理や金融商品の仕組みの解説であったり、買ってはいけない金融商品の紹介が多いと感じます。そのため、金融商品の教科書とも言えるでしょう。本書の著者は、これまであらゆる種類の投資を行ってきたそうです。
その試行錯誤の中でたどり着いたのが、インカムゲインを目的にした長期投資であるとし、投資をギャンブルにしない、リスクを抑えて、リターンを高く維持することを重視しています。ただ、本書でもリスクの高い金融商品の紹介と解説が記載されています。インカムゲイン投資以外にも、キャピタルゲイン(値上がり益)を狙いたくなった、という場合にも参考となるかもしれません。
インカムゲインは、配当金や分配金から得られる収入を意味します。さらに、本書が推薦する投資手法は、高い利回りの金融商品を長期で保有するものとなっています。そのため、そういった手法で金融商品を購入する際には、ある程度の分析力や判断力が必要とされることとなります。銘柄選びもそうですが、購入するタイミングも考慮する必要があります。そうでなければ、高い利回りに飛びついて損失を抱えたり、価格が高いところで購入したために利回りが下がってしまう、ということになりかねません。
それを避けるためにも、各種金融商品を理解することが重要であると示されています。本書の後半では、海外のREITや海外証券口座でのレバレッジのかけ方などについても説明しています。全体的に、解説が丁寧で、わかりやすい一方で、一般的な内容が多いため、投資初心者向きの本であると思います。
はじめに
本書は、株やFXの世界でキャピタルゲイン(値上がり益)を得るために勝負するのはリスクが大きいと 考え、長期的に安定した、高い配当収入を得られる方法を探している個人投資家に向けたインカムゲイン投 資の入門書です。インカムゲインとは、配当や分配金による利益のことをいいます。
私は、学生時代から投資をはじめ、いまでは債券や不動産など、毎月、安定した収益を得られる資産を運用することにより生計を立てています。
現在の運用法に至るまでには、世界の株式、FX、デリバティブ、プライベートバンク、ヘッジファンド から航空機投資に至るまで、世界中に存在する、ほぼすべての種類ともいえる多様な投資を経験してきました。
いままで行ってきた投資の中には、投資額の十数倍という利益を上げるものもありましたが、わずか1週間のあいだに数千万円単位の損失を出すこともあり、安定しないものでした。 そのため、毎月の収入がいくらになるのかも確定せず、安心してお金を使う気分にはなれませんでした。
私の場合、手元の資金を何倍にも増やすことよりも、月々の生活費や老後資金が安定して得られることを 投資の目的と考えていたため、このように不安定で元本毀損リスクの高い運用法は向いていなかったのでし ょう。
その後は考え方を変え、勝負に勝つことよりも、できるかぎり勝負を避け、安定した利回りを得られる方法を探るようになりました。
しかし、損失を恐れて安全な投資ばかりを選んでしまうと、利回りはおのずと低いものとなり、投資の収 益で生活していくことはできません。
安定・高利回りという相反するテーマを両立するためには多くの知恵を出すことが必要でした。 そして、私自身が5年を超える試行錯誤の中でたどり着いたのが、本書でおもに解説している、インカム ゲインを目的とする長期投資です。
これは、資金の少ない人でも実践できる運用法ですので、私以外にも、投資をギャンブルにしたくないと 考えている、すべての人におすすめできるものです。
さて、このような安定した高配当を払い出す金融商品には、債券、高金利通貨、不動産などたくさんの種 類を見つけることができます。
さらに、世界の市場を見渡せば、金融の天才たちがその英知を結集してつくり上げた、特別な構造をもつ 高利回り商品もあり、これらには一見の価値があることと思います。
本書では、このような海外の金融市場に上場する商品も含め、長期投資をより安全で実りあるものにする 方法を案内しています。
さらに、本書では、投資法の紹介だけにとどまらず、債券、為替、不動産などの各投資対象が収益を生み 出す仕組みの解説にも力を入れました。
投資商品を理解することは、その商品に内在するリスクと手数料を理解することにつながります。 インカムゲイン投資は長期投資です。長い付き合いになる投資商品の中身をしっかり理解することは、負けない投資をはじめるための第一歩だといえるでしょう。
そして、投資商品の仕組みを理解できたら、世界経済と金融市場の動向にも興味をもってみましょう。 インカムゲイン商品は世界の経済環境に大きく影響を受ける投資対象ですので、世界経済の移り変わり は、投資対象の利回りにも大きな影響をあたえるためです。
本書では、インカムゲイン投資に大きな影響をあたえる現在の市場テーマを理解するため「第1部 10分 でわかる! サブプライム危機から米国緩和縮小までの流れ」として、量的緩和と米国利上げ、そして、それを理解するのに必要な基礎知識を解説しています。
次に「第2部 債券」では、個人でもETFを通じて気軽に投資することのできる債券の世界を解説して います。また、債券と金利の関係は投資商品としてのみならず、長期投資全般を理解するのにかならず必要 な知識ですので、ぜひマスターしてみましょう。
「第3部 為替」では、為替市場を理解するために必要な知識、為替と関連した金融商品とその構造を紹 介しています。
「第4部 REIT(不動産投資信託)」は、インカムゲインとキャピタルゲインの両方に期待できるハ イブリッドな投資対象です。国内外のREITの評価方法を解説しています。 最後に「第5部 海外証券口座」として、本書で解説した投資商品を実際に購入、運用するのに必要な、海外証券口座の基本的な使い方を説明しています。
ぜひ、みなさんも、本書を参考に、安心・安全で高利回りの長期分散投資を実践してみてください!
2014年9月吉日
玉川 陽介
《目次》
プロも驚きの安定・高利回り!
海外ETFとREITで始める インカムゲイン投資の教科書
はじめに
序章
安定・高利回りは正しい知識から
■世界の債券とREITを組み合わせたインカムゲイン投資
■長期投資に必要な為替の知識
■安定したインカムを得るのに必要な2つの知識
◎金融商品の仕組みを理解する
◎世界経済の流れを把握する
■高い利回りは高い金融リテラシから生まれる
◎リスク回避は正しい知識から
◎もっとも有利なレートで投資商品を購入できる
◎富裕層向けのプライベートバンクよりも有利な取引環境を利用できる
◎金融市場の全体像を把握すれば正しい投資判断ができる
第1部
10分でわかる! サブプライム危機から米国緩和縮小までの流れ
Chapter1
世界的な量的緩和とこれからの経済
■サブプライム危機を乗り越えろ
◎不良債権をよみがえらせた米国の政策
◎量的緩和と利下げを歓迎した米国株式市場
■アベノミクスで大きく舵をとった日本経済
◎アベノミクスによる異次元の金融政策
◎金融機関にはお金があまっているのに私たちにはまわってこない理由
◎国債を大量に購入し続ける日銀の思惑
■日本と米国が利上げしたときの問題
◎米国の利上げは正常な世界経済を取り戻すことができるのか
◎東京五輪による景気回復期待と日本の利上げ
■インカムゲイン投資家が考えるべきこと
解説なぜ量的緩和で景気がよくなるの?
●マネタリーベースと日銀当座預金とは何ですか?
●日銀は本当に紙幣を印刷して銀行にばらまいているの?
●日銀は無償で銀行にお金を供給しているの?
●なぜ金融機関が融資をすると経済が活性化するの?
●信用創造とは何ですか?
●国債発行と量的緩和で通貨発行するのは何が違うの?
第2部
債券
Chapter2
債券ETFで少資金でも安定・高利回りの長期投資を実現
債券ETFで少資金でも安定・高利回りの長期投資を実現
■高利回りの債券投資とは
■ETFから世界の債券へ簡単投資
■米国債の利回りが重要なわけ
■日本国債のデフォルトに賭ける?
◎1000兆円を超える日本国債はデフォルトするのか
◎日本国債はデフォルトしない
債券講座1金利が上がると債券は下がる
債券講座2短期金利を動かすと長期金利にも影響する
債券講座3償還までの期間が長いとリスクが上がる
■米ドル建てもある新興国の高利回り国債
◎新興国が米ドル建て債券を発行する理由
債券講座4外貨建て投資は国債との利回り差を見る(リスクフリー・レート)
■米有名企業の発行する高格付け社債
■信用力のない企業のジャンク債
■銀行の発行する特殊な債券は高利回り
◎銀行の自己資本規制が生んだ特別な債券
■これからの主役は偶発転換社債
債券講座ら債券格付けとクレジット・リスクとは何か
■不動産担保ローンの貸し手となり金利をもらう (MBS)
◎MBSの利回りを計算できれば上級者
■低リターンの債券投資をおもしろくする金融の魔法 (CDO)
◎サブプライム危機の引き金となったCDO
■FRBイエレン議長も警鐘、高リスクのCLO投資
■国や会社の破綻に賭けるCDSも投資対象に
◎保険の売り手から見たCDSは債券と同じ 債券講座6最終利回りとIRR
chapter3
債券へ投資するファンドの秘密
■豪ドル建て元本確保型ファンドは安全か
◎元本確保型ファンドの仕組み
◎元本が確保されていても損をするリスクあり
■太陽光発電は本当に高利回りか
◎太陽光発電の利回りは単年度利回りだけを見ないこと
◎レバレッジをかけた投資には最適だが高値で買っては意味がない
■カンボジアの米ドル建て銀行預金で年利6%は高利回りか
■債券ETFは分配金ではなく保有債券の最終利回りを見よう
◎ファンドの内容が自分の想定と違っていないかをチェック
コラム 毎月5万円の積み立てで四年後に1億円になるというオフショア積立は本物か
マオフショア積立保険とは
アオフショア積立保険は手数料のかたまり
満期時の税金や相続時にも課題
第3部
為替
Chapter4
すべての投資に影響を与える 「為替」のルール
■為替はどのような要因で動くのか
◎インフレによる通貨安(購買力平価説)
◎将来の為替水準を金利から計算(金利平価説)
◎各国の通貨供給量は為替市場の旬のテーマ
◎要人発言に耳を傾けよう
◎日米欧の経済指標に注目
■筆者の注目している市況データと経済指標
■変動相場と固定相場を知ろう
◎為替が変動しない通貨もある
◎中国の固定相場制が膨大な利益をもたらした
◎新興国の固定相場制には死角あり
◎日本の外貨準備120兆円を取り崩して借金返済にあてられないのか
■FXのスワップ金利はインカムゲイン投資になり得るか
■個人でも為替ヘッジありで外貨建て資産に投資できる
■為替への長期投資ならフォワード取引を知ろう
■30年後に1米ドル=8円で買える仕組債はお得か
ほかのシナリオで運用した場合の為替レートと比べよう
Chapter5
FX取引の秘密
■FXは個人投資家対FX業者の戦い
◎顧客の負けはFX業者の勝ち
◎プロ個人投資家とFX業者の戦い
◎業者を脅かす2つの取引
■銀行の外貨預金はFXより安全か
■銀行の都合で預入期間が変わる仕組預金
◎コーラブル預金の仕組み
■為替が下がると外貨で償還される仕組預金
◎デュアルカレンシー預金の仕組み
◎銀行から見た価格変動リスクのヘッジ法
■システムトレードと月利2%のFXファンド
◎あやしげなファンドの詐欺被害に遭わないために
◎個人でも手軽にできるシステムトレード
コラム 金融商品の基本ルールをまとめると
第4部
REIT(不動産投資信託)
インカムゲイン投資家のための高利回りREIT投資
■日銀の資産買い入れで注目を集めるJIREIT市場
◎ファンドバブルで一躍スターとなったJIREIT
◎サブプライム危機は絶好の買いどき
◎日銀のJIREIT買い入れによりふたたび活気づく市場
■REITの基本ルール
◎不動産投資の収益力を高めるレバレッジ
◎時価評価によるロスカットはREITの宿命
◎投資セクター別の特徴を理解しよう
◎高い入居率の秘密
■2つの指標でREIT銘柄の実力を診断しよう
◎分配金だけを見て銘柄を選ぶのはやめよう
◎割安銘柄を見つけるにはNAVを見よう
◎REITのNOI利回りにも注目しよう
◎解散価値よりも高い投資口価格となる理由
■REITは不動産投資の代替となり得るか
◎レバレッジ比率と借入ルールの違い
◎不動産よりも株式市場に連動するREIT価格
海外REITにも投資できる
■ETFから世界のREITへ簡単投資
■米国市場のREIT全体へ分散投資
■個別銘柄を選んでさらに高利回りを目指すなら
■長短金利差を利益に変えるモーゲージREIT
■海外REITの分配金利回りを理解しよう
■日本で売られている海外REIT投信の過剰配当に注意
コラム 新興国の成長と投資リターンに相関はあるのか
世界のすべては株価に織り込まれている
第5部
海外証券口座
Chapter8
長期投資に適したレバレッジのかけ方とリスク管理
■海外証券口座を開設しよう
■レバレッジをかけて外国債券へ投資
◎レバレッジと担保評価の基本をおさえよう
◎レバレッジをかけて債券ETFへ投資
■ひとつの口座ですべての取引ができる
■為替リスクなしで外貨建て資産に投資する方法
■外国証券会社のデメリットと税金の扱い
■値動きを正しく把握して3%安全な投資を考える
◎標準偏差とヒストリカル・ボラティリティについて知ろう
◎投資の現場で統計による予測を使うには
◎正規分布と実際の分布
終章
長期の国際分散投資は本当に正しい投資法か
■国際分散投資と現代ポートフォリオ理論
■期待リターンとリスクから最適解を導く理論
■国際分散投資への誤解
■市場構造の変化に対応した長期投資を
■インカムゲイン投資で長期安定の高利回り投資を実現しよう
あとがき
表紙デザイン AEBranch 冨澤 票
序章 -安定・高利回りは正しい知識から
フィックスト・インカムとよばれる、債券やREITなどのインカムゲイン商品のなかには、安定・高利 回りの長期投資を実現できる投資対象が数多く存在します。
これらの投資商品は、株やFXとはことなり、市場金利などの要素から値動きを予想しやすいことも特徴 であるため、それらの基本をしっかり理解してから投資をはじめるのが賢い投資家であるといえるでしょう。
さらに、金利を中心としたインカムゲイン投資に対する理解は、世界の金融市場で何が起きているのかを把握するために必要な知識でもあります。
世界経済の動きを的確に把握し、長期にわたり安定した高利回りを確保するためには、インカムゲイン商品について正しい知識をもつことからはじめましょう。
■世界の債券とREITを組み合わせたインカムゲイン投資
世界の金融市場に目を向ければ、低成長と低利回りになれてしまった日本とは対照的に、高成長と高配当 を両立する投資先は数多くあります。 さらには、先端の金融技術により生み出された魅力的な投資商品を見つけることもできるでしょう。 次の図1は、世界に存在する金融商品のおおよそすべてをまとめた表です。このように、世界の金融市場 では、日本では見かけることのない、数多くの金融商品が投資家を歓迎しています。
本書では、このなかからとくに債券とREITを中心としたインカムゲイン商品を解説していますが、よくある普通の商品を教科書的に説明することは避けました。
第2部「債券」では、一般に広く知られている国債や社債はもちろんのこと、債券をはじめて学ぶ人で も、モーゲージ、クレジットのような隠れた高利回り商品に投資機会を見つけられるように順を追って説明 しています。
また、第4部「REIT」では、J-REITからはじまり、特別な構造をもつことにより高い分配金を 払い出せる海外REITの仕組みまでを徹底解説しています。
もちろん、いずれも少資金の個人でも気軽に投資できるもののみを題材として選んでおり、明日からの投 資にすぐに役立つ知識のみを本書に詰め込みました。
なお、海外には、ランドバンキング、オフショア積立投資、ヘッジファンドなど、非上場のめずらしい投資対象も多くありますが、これらは、必ずしも投資家に有利なものとは限りません。
むしろ、世界各国の証券市場に上場している株、債券、REIT、それらを詰め合わせたETFなど、と くにめずらしくない商品のほうが有利であることが多いため、本書ではおもに上場商品(図1のアミの箇 所)を解説しています。
■長期投資に必要な為替の知識
本書では、世界の債券やREITへ投資する際、切っても切り離せない為替についても、その基本から、 為替を応用した高度な金融商品まで、投資の現場で必要な為替の知識を多く盛り込みました。
さらに、為替ヘッジにより、外貨建て資産に為替リスクなく投資する方法など、いままでは、プロの投資 家でなければ実現できなかった取引手法を、少資金の個人でも手軽に行う方法についても紹介しています。 いかなる投資対象も、いずれかの国の通貨建てで取引される資産である以上、為替と上手に付き合っていくことは、長期投資の命運を左右する重要な要素だといえるでしょう。
■安定したインカムを得るのに必要な2つの知識
世界中の投資商品をうまく組み合わせ、自分の目的に合った長期投資ボートフォリオを運用するために必要な知識を身につけましょう。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏の「自分の理解できない企業には投資しない」という言葉は有名で すが、これは個別企業に対する投資のみならず、金融市場に存在するすべての投資対象についていえること でしょう。
このような考え方にならい、本書では、投資法や推薦銘柄という結論だけを提示することは極力避けています。
それよりも、将来的に、どのような相場環境や金融商品と遭遇しても、投資家みずからの判断により、正 しい選択肢を選べるようにするため、投資についての普遍的な知識を提供することを主なテーマとしています。
「長期投資で老後の資金を蓄えたい」と考える人は、自分の将来がかかったボートフォリオを数十年先まで運用するファンド・マネージャーのようなものです。
そのような人たちにとって、投資の基本原理を十分に理解するという「自分への投資」は、長期的に見れば、他のどのような投資よりもパフォーマンスのいいリターンを生むことでしょう。
本書では、いくつかの金融市場の基本ルールを説明していますが、それらは世界共通で今後も変わることのないものだけを集めました。一度身につけてしまえば、今後100年使える投資の基礎知識となるはずです。
さて、インカムゲイン投資と長期間つき合うために必要な知識は、大きく分けて2つです。 ひとつは、投資商品の仕組みを理解すること、そして、もうひとつは世界経済の流れを知ることでしょう。
◎金融商品の仕組みを理解する
投資商品の仕組みはコツをつかんでしまえば、それほど難しいものではありません。 証券市場には、大きく分けて、株、債券、為替、商品、不動産、そして、それらの投資対象にひとひねり を加えた、先物やオプションなどのデリバティブとよばれる投資対象があります。
そして、どのようなファンド、複雑に見える投資商品も、すべてはこれらのシンプルな資産の組み合わせ でできています。
そのため、これらが、どのようなものであるかを一度理解すれば、世界に数多あるすべての投資対象を完 全に理解することができるでしょう。
◎世界経済の流れを把握する
さらに、昨今の市場では、どのような投資対象であろうとも、売り時、買い時を把握するために日米欧をはじめとした世界経済全体を理解することが求められます。
世界経済のグローバル化とは、日本株や近所の不動産など身近な投資対象の値動きにすら、世界経済全体 の動きが関係することであるともいえます。
そのため、市場の価格変動の背景を理解すること、端的にいえば、経済新聞やニュースの内容をきちんと 理解して市場の全体像を把握することは、インカムゲイン投資家に限らず、すべての投資家にとって非常に重要だといえるでしょう。
■高い利回りは高い金融リテラシから生まれる
本書では、インカムゲイン投資に必要な多くの知識を紹介していきたいと思っていますが、それらの知識 がどのような投資場面で役に立つのかを次にまとめてみました。
◎リスク回避は正しい知識から
ファンドの過去の成績(トラックレコード)や分配金だけを見て投資を決める人も少なくありませんが、 これには、大きな危険がともないます。
じつは、リスクを代償として高い分配金を払い出す構造のファンドをつくりあげること、また、きれいな トラックレコードをあとからつくり、不景気でも好成績を特徴とするファンドをつくりあげることは非常に 簡単なのです。
さらに近年の金融市場では、仕組預金のように複雑な金融理論を駆使して、見せかけの高利回りを提示する商品も少なくありません。
そのため、好成績ファンドや高い分配金の陰に潜むリスクを見破るには、なぜ、その投資商品が高利回り を出せているのか、どのような場合に損が出る仕組みとなっているのか、その構造を理解することが不可欠 です。
しかし、それらをすべて学習するには時間がかかりすぎますので、本書では、市場で多く見かける、いく つかの有名な投資商品を例にとり、その裏側を解説していきます。
◎もっとも有利なレートで投資商品を購入できる
ホテル予約サイトなどでは「ベストレート保証」とあり、世界のどこを経由して予約しても価格は同じで あることを約束しています。
一方、証券の世界では、投資家の金融リテラシにより、支払わなければならない手数料は変わってきます。
たとえば、大手証券会社の販売する投資信託の手数料は割高であり、それと同等の海外ETFを購入した ほうが有利であることは、広く知れ渡っておりご存じのとおりです。
ほかにも、仕組債やデリバティブなどの取引においては、複雑な金融商品の知識を持ち合わせる投資家は 少ないため、気づかないうちに高額な手数料を支払っていることも少なくありません。 このように、市場には、「これを買えば確実に利益を期待できる」商品はありませんが、「これを買ってしまうと確実に損をする」商品はたくさんあります。
不利な商品を避け、投資をはじめる前から損をしないためには、投資商品の仕組みを理解すること、また、日本のみならず世界中の投資商品に目を向ける必要があるでしょう。 本書では、避けるべき商品と、それに代わる投資先の解説にも多くのページを割いています。
◎富裕層向けのプライベートバンクよりも有利な取引環境を利用できる
近年では、楽天証券やSBI証券など、初心者が気軽に口座を開設できる証券会社でも、良心的な手数料 体系と悪くない投資信託を取り扱うようになりました。
しかし、海外に目を向けると、これらの国内証券会社では取り扱いのできないETF銘柄、マージン取引 と呼ばれる資金効率の高い取引方法、そのほか、日本にはない仕組みの投資商品も、まだまだたくさんあり ます。
現在では、海外証券会社を活用することにより、少資金の投資家でも富裕層向けのプライベートバンクよりも有利な手数料体系で幅広い商品へ投資を行うことは十分に現実的です。
世界のどこでどのような商品に投資できるのか、それはどのようなリスク・リターン特性のある商品なのか。これらを理解して、自分の目利きで次なる投資機会を探せるようにしておきましょう。
◎金融市場の全体像を把握すれば正しい投資判断ができる
ニュース記事の中にも「米金融緩和縮小で債券価格下落」など、金融市場の基本ルールを理解していなければ、その意味を読み取ることのできないものが多くあります。 また、過去の市場の流れを知らなければ、なぜそのニュースが重要なのかを理解できないこともあるでしょう。
本書では、投資をはじめたばかりで、いままで市場で何が起きていたのかを体験していない人でも、現 在、市場で最大のテーマとなっている量的緩和と米国利上げを理解できるように、あらすじと基礎知識をまとめて説明しています。
証券市場や世界経済に、いま何が起きているのかを十分に理解することは、正しい投資判断をするための 第一歩となるでしょう。
REITで資産運用 徹底活用ガイド
手軽な不動産投資を始めよう
REIT(不動産投資信託)は、日本でも徐々に個人投資家から注目を集めています。不動産投資というと、元手がないと始められない、と考える方も多いでしょう。しかし、REITは比較的少額から始められるメリットがあり、また利回りの高さから新たな資産運用の選択肢として考える人も増えています。
本書では、REITの基本的な説明だけでなく、今後のREITの展望、プロが選んだ銘柄の紹介に加え、銘柄の分析とREITの活用法などについて書かれています。REITへの関心が高まってきたため、REITに関連した書籍は増えてきています。しかし、どうしても内容が古くなっている本も少なくありません。
その一方で、本書は、2020年版のムックであり、新しい情報が含まれています。そのため、情報のアップデートを行うにはよい一冊だと思います。サイズが大きいものの、オールカラーで、表やグラフなどのデータがきちんと見やすく掲載されており、内容も比較的わかりやすいものとなっています。ただ、本書の特徴はそれだけではありません。
アナリストの分析が載っていたり、不動産のセクター別の分析とコメントがあり、これからはじめてREITに投資をする方にとって、参考となる点が多いことはよいでしょう。プロが選ぶ銘柄の紹介には、きちんとしたデータもあるため、比較検討がしやすくなっています。
優待制度の紹介も行われているため、どのポイントを重視するかを考える材料が揃っている印象があります。また、REITの個別銘柄の特集があり、REITを運用している社長へのインタビューがいくつか掲載されているため、ファンドの経営陣がどのような考えを持ってファンドの運用をしているかがわかります。
その他にも、REITファンドの分析であったり、不動産投資とREITとの比較が行われているのはおもしろいです。最後にはREIT、インフラファンドのデータが全銘柄掲載されています。会社四季報のようにデータがまとめられており、銘柄ごとの分析や新たな銘柄の発掘には役立つかもしれません。
もくじ CONTENTS
巻頭マンガ REITで始める不動産投資
PART 1 これからのREIT市場を徹底分析!
REIT市場の見通し
日本
日本(セクター別)
みずほ証券エクイティ調査部シニアアナリスト 大島陽介さん。
米国
ラサール不動産投資誕間 クライアントキャピタルグループ執行役員 西村章さん
その他の世界
三井住友トラスト基礎研究所 海外市場調査部主任研究 安田 明宏さん
J-REITの総合情報サイト
「J-REIT.jp」で個別銘柄などをチェック!
PART 2
プロが選ぶ! REIT銘柄
ここをチェック!データの見方
銘柄選びで押さえておきたい REITの基本データ アイビー総研 代表取締役 関大介さん。
私の注目REIT
価格の値上がりを追求しながら 安定した分配金の確保も狙う
SMBC日発証券株式調査部シニアアナリスト 鳥井裕史さん
浅井佐知子不動産事務所不動産鑑定士 浅井佐知子さん
ミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取府役 田渕直也さん
アイビー総研代表取時役 関大介さん 投資ブロガー nantesh
株主優待をもらおう!
REIT投資で優待を体験 アイビー総研代表取締役 関大介さん
PART 3
J-REIT、インフラファンド
銘柄徹底分析!
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CLP投資法人
ロンティア不動産投資法人
ザイマックス・リート投資法人
タカラレーベン・インフラ投資法人
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
いちごグリーンインフラ投資法人
PART 4
REITファンドはこう使う
REITファンドのメリットと
活用法を徹底解説! ファイナンシャルリサーチ深野康彦さん
プロに聞く! 注目のREITファンド
J-REIT編/海外REIT編
楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田 尚子さん
生活設計クルー代表取締役 目黒政明さん
イデア・ファンド・コンサルティング 代表取締役/アドバイザー 吉井崇裕さん
相対的に高い利回りが魅力の上場インフラファンドに注目!
ファイナンシャルリサーチ 深野康彦さん
低コストでJ-REIT
全銘柄への投資も可能! REIT ETFの魅力
東京証券取引所上場推進部長 山中孝太郎さん
東京証券取引所上場部主任 山本武さん
PART 5
REITを資産運用で どう活かすか
「長期・分散」投資は 有効な資産形成手段
前川FP事務所アドバンス代表 前川 貢さん
年代別のポートフォリオ (例)
PART 6
REITvs実物不動産、5番勝負!
REITと実物不動産を 徹底比較!
プラチナ・コンシェルジュファイナンシャル・プランナー 國場 弥生さん
REITと実物不動産、5番勝負!
PART 7
全銘柄掲載! REIT、インフラファンド 主要データ
はじめてのJ‐REIT完全ガイドブック: 不動産投信で銀行預金の300倍も!「儲け」と「副収入」を手に入れる!
本書は、2013年に出版されたJ-REITを解説した本です。REITの魅力は何と言っても、その分配金利回りの高さにあります。著者は、日銀の金融政策によるREITの買い入れや、財務基盤を安定させる法改正などを理由に、REITがよい投資先であるとしています。ただし、これは2013年時点での話です。
現在では、REITのほとんどの銘柄の価格が上昇しています。そのため、著者の予想は概ね的中したといってもいいでしょう。しかし、言い換えれば、今から購入して同じような結果が得られるとは限らないことを考慮する必要がありそうです。
さらに、本書の終盤では、個別の銘柄のデータを掲載しており、購入金額やチャート、分配金利回りを含む、基本的な指標や数値をまとめているのですが、そのデータも当時のものであるため、現在では参考になりません。ただ、見やすくて、わかりやすいことは好感が持てます。本書に関しては、全体を通して、情報が過去のものであることを前提にして読み進める必要があります。
もちろん、時系列が影響しない内容もあり、REITの基本的な情報は、しっかりとまとめられています。序盤でREITのメリットが分かりやすく書かれており、手数料の高いよくわからない投資信託を購入するよりも、REITを購入するほうがいい、という姿勢が示されています。REITがまだそれほど人気でなかった頃だったことも影響しているのかもしれませんが、大まかな内容を掴むにはいいでしょう。
不動産セクター別の性質やREITへの投資スタイルについても言及されており、投資の初心者であれば、抑えておくべきことが書かれています。その他にも、REITを対象にした投資信託やデータの読み方、実際の購入の仕方などについても説明されています。
まさにタイトルにある通り、REITのガイドブックといえる内容です。ただ、ポートフォリオとの関係性であったり、マクロ的な動向についてはあまり触れられておらず、物足りなさを感じます。やはり、REITの概要を掴みたい初心者向けの書籍と言えます。
目次
序章 これからますます、REITが値上がりする!
2020年 REIT市場の資産倍増計画発動!
日銀が本腰を入れてREITを買いにくる!
高い利回りのウラに潜むリスクを回避する、新しい法改正も予定!
アベノミクスがREITの追い風に
1章6%の高利回りの商品も! REITの魅力
配当利回りが平均4.24%の安定運用
これからは何に投資するべきか
「大家さん」で資産運用するのが難しい理由
REITなら、「少額」で「優良物件」に投資できる!
分散投資効果が期待できる
配当原資の透明性が高い
売買コストが安い
運用管理費用も、投資信託と比較すれば安め
ディスクロージャー (情報開示)もしっかりしている
リスク要因はどんなものがあるのか
2章 これだけは知っておきたい!
REITの基本的な仕組み
REITは不動産の投資会社
REITを支える3つの会社
REITのタイプは、現在のところ3つ
上場本数は現在、3銘柄
REITは「スポンサー企業」を確認!
REITの価格変動要因を把握しておこう
市場参加者の動向を知ろう
REITの詳細情報を簡単に比較できるウェブページを使う!
3章 銘柄選びから購入、売却まで成功するポイント
投資先の特性を把握する
〈オフィスビル型〉
賃貸契約期間が短く、景気動向に左右されやすい
〈商業施設型〉
賃貸契約期間が長い郊外型は安定性が高い
〈物流・ロジスティックス〉
ネット通販の進化で今後の注目株に
〈住宅(レジデンス)型〉 安定性は高いが収益性は低め
〈ホテル・リゾート型〉
収益性の不確定要素が多い反面、高リターンに期待
安全性を重視するならスポンサー企業を選別する
個人なら敢えて配当利回りの高いところを狙う手も!
〈投資プラン(1)>
REIT初心者は長期保有を前提にする
〈投資プラン(2)>
複数銘柄への分散投資で定期的な配当を得る
〈投資プラン (3)〉
少額で分散できる!REITの指数に連動する「ETF」に投資する
保有期間中に留意すべき点は?
4章 1万円から「大家さん」になれる!
~ファンド・オブ・ファンズとは?
もっと少額資金でREITに投資するなら、投資信託を使う
[最低購入金額]スポット購入なら1万円、積立なら500円から!
[コスト] REITへの直接投資やETFと比較すると高め
[投資対象] 国内REITだけでなく、海外のREITへも投資できる!
[流動性] 1日1回の取引に限定される
[購入場所]お目当ての商品が、すべての金融機関で売っているとは限らない
ファンド・オブ・ファンズを購入する際に知っておきたい3つのこと
価格変動リスクは基準価額の値動きを見る
インデックス 『アクティブ、 運用スタイルを把握する
分配回数について
海外のREIT市場に投資する投資信託もある
ポイント(1)投資対象国の特性を見極めよう
ポイント(2)為替ヘッジの有無を見極める
ポイント(3) 通貨選択型のファンドは買わない
目論見書のここを読もう
運用報告書は「収益の分配」を見る!
5章 これで失敗なし!
REIT投資に必要なデータの読み方
「東証REIT指数」で市場全体の動向を把握する
「NAV倍率」は1倍を超えているかどうかがポイント
「FFO倍率」は小さいものほど割安
「分配金利回り」は高ければ良いというものではない
「LTV」が低い銘柄ほど安全性は高い
「稼働率」は高いものを選ぶ
「格付」はシングルAがあれば十分
地震リスクを示す「PML値」
6章 実践編〜REITを買って分配金をもらう!
使い勝手の良さで証券会社を選ぶ
REITはどこで買うか
口座開設はどうしたらよいのか
注文方法は株式投資と同じ
いつ買えば分配金がもらえるのか
REITは信用取引もできる!
REITで信用取引を活用する!
信用取引の注意点は2つ
REITの税金について
軽減税率の廃止とともに日本版ISAが導入
7章 一目瞭然でおトクな銘柄がわかる!
REIT銘柄完全カタログ
大の数が多い、安全性の高い順から並んでいます
ジャパンリアルエステイト投資法人***
日本ロジスティクスファンド投資法人***
日本ビルファンド投資法人***
フロンティア不動産投資法人***
日本アコモデーションファンド投資法人***
日本プライムリアルティ投資法人 ***
日本リテールファンド投資法人***
東急リアル・エステート投資法人***
野村不動産レジデンシャル投資法人***
野村不動産オフィスファンド投資法人***
ジャパンエクセレント投資法人***
ユナイテッド・アーバン投資法人***
オリックス不動産投資法人***
福岡リート投資法人***
トップリート投資法人***
プレミア投資法人***
グローバル・ワン不動産投資法人**
アドバンス・レジデンス投資法人**
大和ハウス・レジデンシャル投資法人 **
阪急リート投資法人 **
大和証券オフィス投資法人 **
積水ハウス・SI投資法人**
森トラスト総合リート投資法人**
産業ファンド投資法人 **
森ヒルズリート投資法人**
アクティビア・プロパティーズ投資法人**
大和ハウスリート投資法人 **
GLP投資法人 **
ケネディクス不動産投資法人**
MIDリート投資法人 **
ジャパン・ホテル・リート投資法人 **
日本賃貸住宅投資法人**
平和不動産リート投資法人 **
インヴィンシブル投資法人**
いちご不動産投資法人 *
スターツプロシード投資法人*
ケネディクス・レジデンシャル投資法人 *
コンフォリア・レジデンシャル投資法人 *
序章 これからますます、 REITが値上がりする!
2020年
REIT市場の資産倍増計画発動!
REITって金融商品をご存じですか? REITは「Real Estate Investment Trust」の略称で、不動産投資信託 のことです。もともと米国がREIT市場の本場でしたが、2001年に東京証券取引所が、日本のリート として「JIREIT」の名の下、日本国内の不動産投資信託市場を創設しました。
当初は、2銘柄のみの上場でしたが、徐々に上場する投資信託の本数が増え、2013年2月時点では? 本にまで増えています。細かい仕組みなどについては後述しますが、要は、不動産を組み入れて運用する投 資信託のことです。
今、新聞や雑誌などでは「不動産投資信託」や「J-REIT」、また単に「REIT」、カタカナで 「リート」と表記されていますが、この本では主にREITと表記します。 「投資信託」というと、株式や債券などの有価証券を組み入れて運用されるものを、まず連想されると思いますが、REITは株式や債券などの有価証券の代わりに、オフィスビルや商業施設、マンション、倉 庫、ホテルなどの建物を組み入れて運用しています。したがって、運用成績の良し悪しは、不動産市況に左右されます。
さて、このREITへの注目度が、2012年の秋口あたりから徐々に高まってきています。もともと、 配当が高いなどのメリットなどから、機関投資家の分散投資の投資対象になったり、不動産投資に興味のある個人投資家からは密かに人気でした。それらのメリットは1章で述べたいと思いますが、最近になっての 一番の注目点は、政府がこのREITの拡充に力を入れているということです。
内閣官房の国家戦略室が2012年7月に策定した「日本再生戦略」というものがあります。そのなか で、2020年までにREIT市場の資産規模を、対2011年比で倍増させようという狙いが、政策サイドにあることです。
「政策に売りなし」(つまり、政策を見極めて、銘柄を買う)という相場格言もありますが、国が日本経 済を立て直す手段のひとつとして、REIT市場の活性化に着手することになれば、市場関係者も色めき立
ちます。
「株価が安い今のうちに仕込んでおけば、市場活性化に伴って値上がり益が期待できるのではないか」と いう期待感が、ここに来て急速に高まっているのです。
日銀が本腰を入れて
REITを買いにくる!
2020年までにREITの資産を倍増させるため、これからさまざまな政策が打ち出されてきます。そ のひとつが、日本銀行によるREITの買入れです。これは2010年2月から継続して行われているもの ですが、本来であれば、2012年末をもって終了するはずでした。それが、2013年末まで延長された のです。
中央銀行である日本銀行が、REITを直接、市場から買い付けることについては賛否両論ありますが、 REITの価格を押し上げる効果は確かにあります。 _ 2010年10月、日銀はゼロ金利政策への復帰とともに、包括的金融緩和策を決定し、当時は2011年 末まで、REITなどのリスク資産を買い入れるという決定を下しました。これにより、500億円の枠を 設けて、REITを買い入れることになったわけですが、この決定を受けて、東証REIT指数は2010 – 年末までの3ヶ月間だけで約2割上昇し、2010年を通じて約4%の値上がり率を記録しました。
その後、2011年3月の東日本大震災や、それに続いて世界的な金融混乱につながった欧州債務危機などによって、リスク性資産のひとつとみなされていたREIT市場からも資金が流出。REITの価格は急 落し、2012年の前半まで低迷が続きましたが、この間も日銀は、500億円→1000億円→1100 億円→1200億円というように買入れ枠の増額を行い、地道にREITを買い支えてきました。
そして2012年10月には、買入れ枠を1300億円まで増額するとともに、買入れの期間を2013年 末まで延長したのです。
高い利回りのウラに潜む
リスクを回避する、新しい法改正も予定!
REITの魅力のひとつに、「高い配当利回り」があります。 なぜ、高い配当利回りが可能なのかというと、それは「利益の8%を配当しなければならない」という ルールがあるからです。 確かに、REITを保有している投資家にとっては、とても良い話でしょう。 でも、それを運用している投資法人の側から見ると、どうでしょうか。利益の8%を配当に回せば、当然 のことですが、利益の内部留保はほとんどできません。そうなると、たとえばリーマンショック時のような 金融不安に見舞われた時、資金繰りに窮して倒産に追い込まれるリスクが生じてきます。
REITは、投資口*を発行することで自己資本を調達するだけでなく、銀行からの借り入れや、投資法 人債という社債を発行することで資金調達をし、その資金で投資信託に組み入れる物件を買い付けます。 当然、銀行の借り入れや投資法人債には満期・償還の期限が決められていますから、それが到来したら、借りたお金を返さなければなりません。その資金繰りが付かなければ、最悪、倒産ということになります。 つまり、REITというのは、一般事業法人の株式に比べて高い配当利回りが期待できる一方、こうした財 務面の脆弱さも併せ持っているのです(くわしい仕組みは2章でも説明しています)。
さらに、REIT関連の投信法改正は最終報告案がまとめられ、2013年に改正が予定されています。
具体的には、
1財務基盤の強化
2価格の下支え
3透明性の向上
の3点なのですが、まず1の財務基盤の強化につながるものとしては、「ライツ・オファリングの解禁」があります。
– ライツ・オファリングというのは、ひとことでいえば、企業の資金調達の方法で、「公募増資」と「第三 者割当て増資」に並ぶ、3つ目の手段です。ライツ(=新株予約権)を既存株主、つまりその銘柄を持って いる投資家全員に割り当て、株主はその新株予約権を行使して金銭を払込み、株式を取得するというもの。 REIT各社が投資証券を発行して資金調達しやすくする方法です。
REITに限らず、株式や投資証券を新たに発行して増資を行うと、投資証券の価値が希薄化してしまい ます。しかし、ライツ・オファリングは、価値の希薄化を回避する方法として、一般の株式についても2006年に導入されています。これがREITにも適用されることになりました。 投資口の価値が希薄化せずに済むのであれば、格段に増資しやすくなりますし、それだけ資金調達手段が増えて、REITの財務基盤が強化されます。