【レビュー】将来の年金不安を解消したいなら今すぐiDeCo・つみたてNISAをはじめなさい

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悩むより先に、まず始める!

日本では、他の先進国と比べても、投資への関心や資産の配分が少ないと言われています。その中で、金融庁などはNISAやつみたてNISA、iDeCoといった、少額でも投資が行えるような制度を整えてきています。本書のタイトルは、老後資金が2000万円必要だとする報告書から注目されるようになった老後資金づくりの対策として、つみたてNISAとiDeCoを薦める内容をイメージさせ、はじめになどでは、そのような意図を伺わせるような説明されています。しかし、本書の主な話題は投資の基本的な知識であり、長期投資や積立投資の解説が多くなっています。本のつくりは資格試験の参考書的なものとなっています。

この本のタイトルにもある、つみたてNISAは投資初心者の若年層に主に利用されています。理由としては、非課税期間が20年と長く、投資信託を定額で積み立てる方法は手間がかからず簡単であり、年間の非課税枠が40万円と少額であることが挙げられます。本書は、つみたてNISAやiDeCoの制度の解説は少なく、基本的な制度の説明が後半に行われるくらいで、主につみたてNISAに関連した投資の原理、つまり投資信託を長期積立で運用することの意義やリスクの低さの説明にページが割かれています。

序盤で、何年後にどのくらいの額の資金を準備したいか、目標を設定し、その目標を実現するためにどのくらいの額の資金をどのような資産配分で投資していくかを決定するやり方を説明し、その後にいつどのような金融商品を選んでいくかなど、より具体的な話をしていきます。そのため、本書はライフ・プランニングの手法の解説本と考えたほうがいいと感じます。対象は投資に関心がある初心者向けといえます。

一方で、つみたてNISAの制度やiDeCoについて詳しく知りたい、という人には向かない本でしょう。本のタイトルは出版社がつけることが通常ですが、この構成と内容で、このタイトルをつけるのは理解し難いです。結論としてはタイトルのとおりなのでしょうが、流行に合わせて受けそうなタイトルをつけて、買う側に内容を誤解させる可能性を高めただけではないか、と感じてしまいます。内容自体は、長期投資の有効性を詳しく解説しており、投資初心者が抑えておくべき基礎知識がしっかりとまとめられているため、タイトルで損をしている本だと思います。

細入 徹 (著)
出版社: 自由国民社 (2019/11/29)、出典:出版社HP

はじめに

年金2000万円不足の衝撃!・・でも本当はもっと深刻な話なのです。
2019年6月に金融庁から出されたレポートの「老後生活2,000万円不足」の部分だけが強調された感はありますが、結果的には日本中が衝撃で動揺しています。老後生活を30年とすると、生涯で2,000万円位不足するということですが、これは、どういう意味なのでしょう。
実はとても単純な話なのです。厚生労働省が年金支給のモデルケースというものを公表しています。専業主婦の家庭で、夫が40年フル勤務した場合の夫婦の年金支給額は国民年金と厚生年金で月に約22万円。
一方、老後の生活費は総務省の家計調査によると月に約27万円。したがって毎月約5万円(年間約60万円)不足することになります。ですから老後30年とすると1,800万円位、ほぼ2,000万円不足するという話です。

年金不足が2000万円、でもこれだけで済まない?

「将来の年金なんてあてにならない」と誰もが漠然とそう思ってはいましたが、何だかよくわからないイヤな話なのでみんな心にフタをしていました。
そのフタが金融庁のレポートをきっかけに、こじ開けられてしまったわけです。この衝撃は思いのほか強烈で、それ以来、確定拠出年金や保険会社の個人年金保険への関心が突然のように高まっています。でも皆さん、もっと問題なのは実はこれだけの話では済まないのです。この2,000万円不足は、今の年金をこれからもずっと同じように受け取れるという前提での話です。
しかし、少子高齢化が進む中で、長い年数をかけてジワリジワリと徐々に年金を目減りさせていかざるを得ないというのが国の年金行政です。そして30年後は、2割、3割と年金が目減りしてしまいます。2,000万円の話には、この部分が加味されておらず、現実は若い人ほど、もっと深刻な話なのです。

でも大丈夫、努力なんてしなくても誰もが解決できる課題です!
若いうちから「将来に備えなければ」ということに気が付くか否かだけで、自分の将来が全く違った世界になってしまいます。そうは言っても、残念ながらゼロ金利のいまの預金レベルでは、とても間に合いません。
しかし、若い人ほど、たっぷり時間があります。この長い時間を活かして、毎月コツコツと少額ずつを積立てながら、お金にも少しだけ働いてもらい、堅実に将来への貯えを育てていく必要があります。
「でも、途中でリーマンショックのような大暴落だって起こるじゃないか!」・・・誰もが一番心配するのはこのことです。
ところが、将来に備えて毎月コツコツ積み立てている人にとっては、実はこういう低迷時こそが、最高の稼ぎ時なのです。努力なんて要りません。基本的に放ったらかしがベストなのです。相場を読んで頑張った人ほど損をしやすいのが現実なのです。

こんなことはにわかには信じられないかもしれませんが、実は、ここが毎月コツコツ積み立てながら堅実にお金を育てる運用の特徴の一つなのです。そして、少しも難しい話ではありません。
堅実に自分年金をつくるというのは、株の相場を読んで切った張ったといじくり回すようなややこしい話ではなく、もっと極めてシンプルな話だということを市場は私達に語りかけています。
結論は下図(本書では151頁)に示すように極めて単純明快、誰にでもできる話に過ぎません。その事実を実際の市場で一つ一つ体験していただきます。

堅実な年金づくりって単純、誰でもできる!一市場はそう語りかけています!

1 堅実な資産づくりって、目先の相場を読んで、切った張ったをすることではありません。
2 プロが運用する商品(アクティブファンド)なら市場を出し抜けるか?・・中々、市場全体に勝てないんです。
また、頑張ったファンドも、いつまでも頑張り続けられるか、これも難しいんです!
3 特に、積立の場合は頑張ったファンドと頑張れなかったファンドの差が出にくい傾向があります。(だから、積立って気が楽ですネ)
4 結局、どの商品を選ぼうかよりも、内外の株・債券をどういう組合わせにしようか、この方がはるかに影響が大きいのです!
5 そして、相場に惑わされず、自分の選んだ組み合わせをしっかり守っていく!
・・・これが肝心です!
6 堅実な運用なら誰でもできる、とても単純な話です!
だって、相場を読んだり頑張った人ほど損をしやすいのですから!

若い人が将来に夢を失っています。でも、夢は必ず取り戻せます!
日経産業地域研究所が2015年に20代前半の若い世代に行った意識調査「若者たちが最も望む日本の将来像」)をネットで見ると、ダントツが「引退しても老後の不安がない社会」。そして、それが「実現できる」と考える若者は1割にも満たないとのことです。
しかし、「将来の年金不安って一体どの程度のものなのか」、「それって乗り越えられそうな話なのか、それともあきらめるより仕方がない話なのか」という辺りがサッパリ分からないまま、ただ、不安に不安をつのらせるのがこうした人たちの実態ではないでしょうか。
確かに、今の行政の延長線で考える限り、年金が年々先細るなかで特に今20代、30代の若い人の将来の年金の目減りは半端ではありません。とても、預金でちょっと頑張れば程度で備えられる話ではありません。でも、こうした若い方も、この本を読み終わるころにはきっと将来に「これなら何とかなりそうだ」と自信と安心を抱いてもらえると思います。

一番大事なのは、まず将来の生活設計が立てられること!
私は、確定拠出年金に加入した少人数の企業を中心に、長年、研修の講師経験を積み重ねてきました。受講するほとんどの方は「投資なんて考えたこともない。考えたくもない。でも年金は不安だ」という人です。
しかし研修が終わるときには大半の方が、「自分ならどのように資産を組み合せるか」を決め、「将来どの位の利回りが期待できそうなのか」を想定し、「年金が年々目減りしていく中で、もしタンス預金だったら、そして自分の資産配分だったら、今から毎月いくらぐらい準備する必要があるのか」を把握したうえで、コツコツと堅実に将来に備え出しています。
皆さんも、この本が終わるころには、将来に向けた自身のライフプランができあがっているはずです。上述のように堅実に資産を育てるって、実は誰にでもできる、とてもシンプルな話なのです。あなたも「なんだ、こんな単純な話だったのか」と確信されるはずです。

確定拠出年金の最大の課題は“何をどうしたらいいのかがわからない!
この本は決して確定拠出年金だけを前提にしているわけではありません。しかし確定拠出年金は国の年金の補完役として、スタートしてから既に18年も経っているだけに、ここから得られた課題は貴重です。
その確定拠出年金が示してきた最大の課題は、導入教育が日本中で思うように機能していないことです。すでに700万人以上が会社で実施する確定拠出年金(いわゆる企業型確定拠出年金)に加入していますが、研修を受けた後も何をどうしていいのか分からないまま、大手企業を含め資産の6割位が、もったいないことに、ほとんど利息の付かない定期預金的な商品で放ったらかされています。
2017年から専業主婦や公務員を含めて20歳から60歳までのすべての人が個人型の確定拠出年金(iDeCo、イデコ)に入れるようになりました。さらに2018年からは、運用益が非課税で年間40万円まで毎月コツコツ20年間積立てられる「つみたてNISA」(積立ニーサ、小規模投資非課税制度)が始まりました。
しかし最大の問題は、実践的に年金づくりをするわかりやすい本や研修の場が決定的に欠けていることです。本書は実務で積み重ねてきた実績をベースに、このギャップを埋めることを目的としています。

企業の担当者のための頁も用意してみました!
本書は個人を対象にしていますが、「退職金の制度はいろいろあって、どう考えたらいいのかわからない」「確定拠出年金を検討したいが社員に投資なんてさせられるのか」等で迷われている企業の人事担当者も少なくありません。そこで企業向けの章(10章)を用意し、いろいろな制度のしくみや選択の勘所を資産運用からの視点と併せてコンパクトに解説しました。将来の不安解消を目指して、まず一歩をご一緒に踏み出してみませんか。

2019年10月
細入徹

細入 徹 (著)
出版社: 自由国民社 (2019/11/29)、出典:出版社HP

[目次]

はじめに

序章
①まず若い人の将来の生活設計はどうなるのかを図解してみます
②実践的な基本知識を身に付けてもらいます
③自分の資産配分を決めます
④自分の配分から長期的な期待利回りを想定します
⑤運用を始め出す上での実践知識を身につけ商品を選択します
⑥ライフプランを立て、毎月いくらの準備が必要かを確かめます
■細かいことは気にせず、読み流して下さい。

第1章 将来の生活設計はどうなる?
1 もう年金はもらえない?
■年金はなくなりはしません。でも大幅な目減りに…!
■若いサラリーマンの将来の生活設計はどうなる?
■将来の年金の目減りは?
■その時の生活費は?
■将来の不足は、差し引き一体どの程度?
■ところで世間ではどのくらい退職金が支給されているのでしょう
2 今からいくらぐらいの備えが必要?
■退職金1,000万円、世間並みの老後生活を目指したら
■ところで、2%の利回りってどんなイメージ?
■退職金が前例の半分の500万円だったら…、もし退職金がなかったら?
■早く始めた人ほど断然有利、でも投資なんかして本当に大丈夫?

第2章 投資はハイリスクと決めつけていませんか?

1 株だけが投資ではありません
■まず、株と債券の過去の値動きを確認してみましょう
■株式、債券の長期的な価格の推移
2 ハイリスクからローリスクまでさまざま!
■債券って、こんなに安定していたんだ!
■短期の利回りは無視してください
■内外の株式と債券、それぞれのグラフを説明します
■過去の実績はあくまで参考資料、私たちが投資する先は未来

第3章 積立投資はスポット投資とこんなに違う!
1 相場が落ち込むほど有利!?
■日本株が半値以下、Aさんは真っ青に!
■やっと元本に戻っただけなのに10%以上の利回りに!
2 あのバブルのピークで投資していてもいまはプラス!?
■スポットならいまだに40%も元本割れ
■積立なら同期間で40%のプラスに
3 リーマンショックの直前に投資を始めたMさんの運用成績は?
■リーマンショックで残高が5分の1に!
■目的は短期のお金儲け?それとも老後の備え?
■その1年後、どれもまだ元本割れなのに積立は年利10%に
4 積立投資とは、こういうしくみです!
■投資信託は口数が基本
■質問:A,B,Cのどの投資信託が一番有利でしたか?

第4章 なぜ分散、分散というのだろう?・
1 分散はリスクを抑える担い手!
■リターンを期待すれば、そこには必ずリスクが発生
■分散で山谷がならされる様子を実際の市場で確かめてみましょう
2 人に頼んで分散運用してもらうのが投資信託
■一体、どの程度に分散すればいいの?
■数百円、数千円でも2000銘柄が買える?

第5章 長期運用とリスクの本当の意味を理解しておこう
1 長期だと、こんなにすごい複利の効果
■期間が長いほど、利回りが高いほど、複利の効果が著しい
2 皆さん、72という数字、聞いたことがありませんか?
3 いま投資を始めようか?もう少し様子を見ようか?
■皆さんが、あのバブル期の真っ最中にいて積立を始めようか迷っていたら?
■長期で考えるなら、積立はストレスがたまりにくい!
4 上がったり下がったり、バラツキってデタラメ?
■一見、デタラメのようでも長期になると一定の性格がみえてくる!
5 つりがねの図が示す本当の意味は?
■理屈っぽくて恐縮ですが、とても大事な話に入ります
■ところで、「リスク」の大小って、どんな物差しで表すの?
■あなたはリスクを取りたい人?なるべく避けたい人?
■「期待リターン8%、リスク20%」ってどういう意味?
■恐慌、暴落ってどれぐらいの確率で起こるの?
■延々とマイナス運用が続くこともある?
6 10年、20年、30年と長期で続けたら?
■時間の経過と共に元本割れの可能性はだんだん小さくなる!
■まず、不確かな期待リターンを想定することから始めます
■株の投資信託は10年ぐらい、元本割れの覚悟が必要!
■理屈はもういい、でも実際はどうだったの?
7 「プロが運用できないのに素人にやれる訳がない!」ってホント?
■出ていくお金も多いので、積立のメリットを活かせない
■年金・退職金の運用は低迷が許されない
■長期の投資の意義を整理すると

第6章 自分の資産配分を決める!
1 株、債券にどの程度の利回りを期待しますか?
■自分のポートフォリオを考える
■企業年金連合会の期待リターンを参考に!
コラム 企業年金連合会の利回り、リスクを採用した訳は?
■図をパラパラめくりながら、自分の選択肢をイメージしてください!
2 機関投資家のポートフォリオの実例
■実例①「企業年金連合会のポートフォリオ」
■実例②「中小企業退職金制度(中退共)のポートフォリオ」
■実例③「以前の国の年金のポートフォリオ」
■実例④「現在の国の年金のポートフォリオ」
■実例⑤「国民年金基金のポートフォリオ」
コラム 機関投資家のポートフォリオの決め方と私たちの選択肢
3 Aさん、Bさん、Cさん… 各人が選んだポートフォリオのサンプル
■Aさんの選択例「株は嫌だ。内外の債券を半々がいい」
■Bさんの選択例「内外の債券で運用するが、日本の方を多くしたい」
■Cさんの選択例「Aさんと同じだけれど、ちょっとだけ株も入れてみたい」
■Dさんの選択例「リスクの小さいものを多くして、あとは順番に」
■Eさんの選択例「外国の株と債券半々で」
■Fさんの選択例「Eさんと同じ考えだが、日本の株・債券も多少は含めたい」
■Gさんの選択例「長期だから株だけでいい」
■Hさんの選択例「株だけでいいが外国の方を多くしたい」
■Iさんの選択例「配分なんて面倒だ。バランス型ファンドを買う」
4 あなたのポートフォリオの期待リターンは何%?
■Yさんの期待リターンを一緒に計算してみましょう

第7章 実践編・これだけは知っておきたい
1 相場を読まない、いじくり回さない
■資産構成が崩れだしたとき、あなたならどうやって戻しますか?
■リバランスは相場を読まず機械的に!
■いつがリバランスのタイミングか
■「放っておいた人が勝ち!」という実際の調査結果
■乗り遅れまいと焦りだす頃合いが営業のタイミング!
コラム 「“相場を読まない”と言うけれど、世間は相場の話ばかりですが?」
2 積立でも、せめて年に一度くらいはリバランスを!
■本項のポイントは?
■リバランスすれば大幅に資産が増えるの?
■リバランスの目的は資産を増やすよりも、バランスを整えること!
3 プロなら市場を出し抜けるの?
■あなたはプロの腕に託しますか、市場の動きに委ねますか?
■プロでもなかなか市場を出し抜けない!
4 いいファンドならずっと勝ち続けられるの?
■日本株式市場で頑張ってきたアクティブファンドの場合は?
■名ファンドといわれた外国株式ファンドの場合は?
■いいファンドなのに、なぜ頑張り続けられないの?
5 積立だと頑張ったファンドとの差が出にくいってホント?
■積立ならAファンドとインデックスとの差が出にくい?
■実際の確定拠出年金の提供商品群で確認してみましょう
6 だとしたら商品選択のところで悩まない!
■迷うぐらいならインデックスを選んだらどうですか?
■商品選びより資産配分!もう皆さんは準備完了です!
■投資信託の8割はインデックス運用!
7 結局、堅実な運用なら単純明快、誰にでもできる!

第8章 いろいろな周辺課題を整理してみましょう
1 運用にかかるコストを整理しておきましょう
■投資信託にはどんな費用がかかるの?
■運用実績グラフの見方
2 陥りやすい運用グラブの落とし穴!
■本当にこれ程の差がでるのだろうか?
■長期だと本当にリターンが良くなるのだろうか?
■長期だと本当にリスクが小さくなるのだろうか?
3 インデックスファンドとアクティブファンドの再確認
■インデックスファンドを選ぶ際のポイントは?
■インデックスファンドの商品選択はどうやったらいいの?
■アクティブファンドにも頑張ってもらいたい!
4 日経平均とTOPIXの違いを整理しておきましょう
■株価だけに左右される日経平均株価指数
■時価総額で量るTOPIX
5 バランス型ファンドの欠点も積立だと違った結果が!
■初心者向きのバランス型ファンド
■インデックスファンドを組み合わせた場合との比較をみると!
■30年40年の長期で積み立てた場合、積立はどうなるのだろう?
6 運用会社が破たんしたら?
■資産は時価で守られます
7 リバランスはどうやったらいいの?
■わかりにくければコールセンターを利用しよう!
■リバランスは大ざっぱでいいから、継続することが肝心!
8 債券とはどういうものかよくわからない!?
■債券は、国や公共団体、企業が借金をした借用書!
■債券のしくみ

第9章 個人の制度の選択方法を整理してみましょう
1 毎月コツコツ積み立てていきたい
■検討の手順は?
■個人型確定拠出年金のメリットと制約は?
■つみたてNISAを活用する
2 スポットで投資したい!
■NISAを活用
■スポットでも短期積立の買い付けを提案しているアドバイザーも!
3 制度によって将来の受取額はどの程度違ってくるのだろう?

第10章 法人の企業年金・退職金の選択肢を整理してみましょう
1 制度の全体像
■企業年金・退職金制度のトレンド
■まず制度全体のイメージをつかむことが肝心!
2 企業年金制度のポイント
■大手中堅企業の中核をなす「確定給付企業年金」(DB:Defind Benefit)
■解散が進む厚生年金基金
■自分の将来は自分で備える確定拠出年金(DC:Defined Contribution)
3 退職金制度のポイント
■中小企業の主役を担ってきた中退共、特退共
■税負担が重い退職一時金制度も目的次第で利用する手もある
■生命保険に求めるポイントは?
4 企業型確定拠出年金の選択肢
■確定拠出年金(DC)の概要
■中小企業に急速に普及している選択制確定拠出年金

第11章 あなたのライフプランをシミュレーションしてみましょう
1 シニアライフの生活費はどの程度不足する?
■Kさんのポートフォリオでライフプランを考える
■年金の目減りで、将来の生活費はどの程度不足するの?
■いまのルールでの自分の年金額をもう少し具体的に知りたい
2 いまからいくらぐらいの準備が必要?
■タンス預金ではいくらの備えが必要?
■シニアライフを何年に設定したらいいのか?
■では、運用しながら備えたら?
3 補足事項
■Kさんが手持ちの現金もあわせて老後に備えたいとしたら?
■老後の住まいを賃貸で考えると今からどういう準備になるのか、ローンを組んだ場合は?
■将来のインフレにどう備えるのか?
■年金開始年齢等が変更されたら?

巻末資料 表A~D

(おことわり)
・本書に記載するインデックスデータは入手の制約上、それぞれ複数の指標をつなげて使用しており、データ内容を保証するものではありません。従って市場は大体このような傾向で推移した程度にお読み願います。
・本書で作成しているすべてのデータは分配金を非課税で再投資しており、また、すべてのポートフォリオは、特に断りのない限り12ヶ月毎にリバランスした数値を使っております。
・本書は、個別商品の比較等を目的にしておりません。筆者の主観を排除し初歩的な視点で市場データを客観的に分析してみると、市場は私たちにこういう事実を投げかけているのではないですか、という問題提起を試みたつもりです。なお、筆者は証券仲介業、保険代理業に関与していないため金融商品の購入についてのご相談はお受けできません。
・本書の図版等を許可なく複製、転載することを禁じます。
・本書の情報を利用した結果生じたいかなる損害、損失についても筆者、出版社および本書制作の関係者は一切の責任を負いません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

本文イラスト協力:山田夏実

細入 徹 (著)
出版社: 自由国民社 (2019/11/29)、出典:出版社HP